9/22/2010

まだヒゲを剃るトシでもないのに

6月のU23およびクリテリウムチャンピオンシップでの優勝に引き続き、エリート部門でもチャンピオンに輝いたベビー・フェースのベン・キング。米国のU23選手がエリートレベルの星条旗ジャージーを手にするのはこれが初の快挙。

動画あれこれ:
  • レース後記者会見:7:01あたりで女性記者の質問に対し、お行儀よく「Yes, ma'am」と答えている。(逆に彼女はトシを感じさせるので「ma'amはやめてね」と。私は若い子がsirとかma'amとかいうの大好きなんだけど)。他にも信仰をほのめかす言葉がところどころあったり、家族の絆も強そうだし(お父ちゃんとそっくり)、ヴァージニア出身の南部のお坊ちゃまなんだなあ、と感激。語り口もソフトだし、口先ばかりでなく、よく考えてから回答する思慮深い感じも好きなんだよねえ。「あなたの成果は、とても歴史的なことだけど、その実感はある?」と聞かれて、「ポディウムに立っているときに、まだヒゲを剃るトシってもないのに...」とふと思ったそうです。
  • 今年6月に優勝したU23チャンピオンシップ:この時も単独逃げ切りでした。TT得意だからね~。
  • 肝心のレースの動画がこの程度しかない。今年はVersusでの放送はないのかしら。

チーム公式ページプロフィール:Ben King
VeloBios: Ben King
VN:Ben King soloes to U.S. pro road title and a Trek-Livestrong sweep in Greenville
CN:A new King crowned in Greenville
2年前のCNインタビュー:Stepping up the ranks ここにも「精神年齢が高く」とありますが、まさにそのとおり。

チームページではブログも執筆中。読みやすい文体だけど、泣かせてくれます。そして、「この選手が優勝してよかった」とまでも思わせてくれます。まじめそうだからVirginia Techではきっと勉学にも励んでいたのではないかしら。でもラジオシャックに昇格になったのでおそらく中退。今回の優勝についての投稿
  • 序盤から逃げに乗り、後続集団との差が縮まった時点では自殺的行為であることを十分自覚した上でとびだした。一緒にいた二人には負い目を感じたが、それがチームにとっても価値ある行動であることは分かっていたし、華やかに最後を迎えるのが自分のスタイルだから。
  • 沿道の観衆は、僕が逃げ切れると思っていたらしい。自分はレースの実態を知っているからそううまくいくとは思わなかったけど、自分のエネルギーを彼らのレベルにまで持ち上げるよう努力した。一周するたびに歓声は激しくなり、より多くの人がシャツを脱ぎ捨ていた。テッド・キングを応援するために「Go King!!」と書かれたサインを掲げた人たちが、「ベン・キング」と唱え始めた。パリス・マウンテン3回目の登りでは彼らからビールを受け取った。次の周ではビール樽も用意してくれていたけど、それは流石に無視した。
  • 9分差。山頂で自分の後ろにいる人たちや、ゴール待つ父さんと妹の姿が頭に浮かんだ。「彼らのために走り続ければいい。」そして祈った。今の自分の状況には神様がなんらかの形で関わっているに違いない。「彼のために走り続ければいい。」
  • 残り3周。輝かしき悪夢だった。一時たりとも辞めたいとは思わなかったけれど、気を失ってしまうことを恐れた。すると横にチームカーが滑り込んできた。僕のもがく姿を目にし、僕の代わりに漕げるものなら、という彼らの思いはその高揚した声から伝わってきた。すると今の激しい痛みでさえが正当化されたような気になった。
  • 僕は今まで一度も勝利のために走ったことはない。この競技が好きだから走るのでもない。僕が走るのは人のため。このレースを「サイクリングの歴史で最も感銘深いストーリー」なんて呼ぶレポーターもいたけど、当初はとりわけ感銘深いというわけではなかった。でも途中からファンと僕との交流があったからこそ、そういう結果になったのだと思う。
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トップ5とその他気になる選手達の結果:

* 1. Benjamin KING, Trek Livestrong, in 4:44:56.9
* 2. Alex CANDELARIO, Kelly Benefit Strategies, in 4:46:30.9
* 3. Kiel REIJNEN, Jelly Belly Presented By Kenda, in 4:46:31.0
* 4. Christopher HORNER, Radioshack, in 4:46:31.2
* 5. George HINCAPIE, Bmc, in 4:46:31.3
* 8. Taylor PHINNEY, Trek Livestrong, in 4:46:32.8
* 11. Lucas EUSER, Spidertech Presented By Planet, in 4:46:35.2
* 18. Jason MCCARTNEY, Radioshack, in 4:46:36.5
* 19. Andrew TALANSKY, Garmin Slipstream, in 4:46:36.5
* 20. Levi LEIPHEIMER, Radioshack, in 4:46:37.0
* 24. Timothy DUGGAN, Garmin Slipstream, in 4:49:33.9
* 29. Ted KING, Cervelo, in 4:53:12.5
* 41. Peter STETINA, Garmin Slipstream, in 4:58:58.0
* . Steven COZZA, Garmin Slipstream, DNF
* . Caleb FAIRLY, Garmin Slipstream, DNF
* . Danny PATE, Garmin Slipstream, DNF
* . Daniel HOLLOWAY, Bissell Pro Cycling, DNF

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