フォナック解散。まだまだ沢山の疑問が残っているというのに、プロの世界には血も涙もなく、やはりお金がものをいうんだなあ、と改めて実感しました。追い討ちをかけるようにフォナックとアスタナのライセンス停止を要求する内部からの声もあるよう。サイクリングに困惑と、致命的なイメージダウンをもたらしたことが理由だとか。こうしたスキャンダルが発生するのは構造的な問題の表れで、根本的な改革が起きない限り解決は無理だと思うのですが、こうした現実を見据えようとしないまま一部のチームや選手達をスケープゴートとし、制裁を与えることによって、何を達成しようとしているのかが私には分からないのであります。
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ランディスの義父であり、結婚式ではベストマンも務められたお友達が亡くなられたそうです。安らかに...合掌...。
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タイトルは「塞翁が馬」の方が楽観的でいいかなとも考えたのですが、根っからの悲観主義者というか、シニックだったりするので、こうなってしまいました。
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こういった問題とは関係ないところで、純粋にスポーツとしての自転車レースに感動したくて、「AFI勇気と感動のアメリカ映画トップ100」の8位にランキングされたこんな映画鑑賞をしました:
ブレーキングアウェイ(邦題:「ヤング・ジェネレーション」)
ザブもこの映画を見てレーサーになる決心をした程、米国サイクリング史を語る上で外せないのがこの「ブレーキングアウェイ」。インディアナ州ブルーミントンを舞台に、高校卒業後、それぞれの進路を模索する4人の若者を描いた青春映画。主人公は熱狂的自転車レースファンのデイブ・ストーラー。 詳しいあらすじなどはこちらに。
*彼の頭の中では、自転車=イタリアとなっており、恋した女の子との会話ではイタリアからの交換留学生を装ってみたり、カンパニョーロのキャップをかぶったり、猫に餌をやるにも贔屓チームのロゴ入りの灰皿を使ったりとものすごいイタリアかぶれ。贔屓チームへの入れ込み様は誰でも一緒ですね。
*主人公の自転車はオレンジの1978年型Masi Gran Criterium。
*憧れのCinzanoチームと一緒に地元のレースに出場するのですが、ダウンチューブについているシフターをいじられたり、車輪にパイプを突っ込まれたり、あれこれ卑怯な手で打ちのめされ、「誰でもずるをするんだ」と現実を見せられ、落胆するデイブ。(<パイプなんてどこに隠し持っていたんですか、イタリア人...w)
*友人達の励ましもあり、Little500という地元のレースに出場。Masiの自転車は前回の落車で廃車と化してしまいましたが、友人達が中古の自転車を入手してくれる。デイブは自分でペダルを取り付けたり、バーテープを張ったり、車輪を調節したりと、サイクリストならではの脚本。
*Little500はリレー形式なので、高速で走りながら飛び乗ったり飛び降りたりします。チームは一応4人構成なのですが、まともに走れるのはデイブ一人。怪我をしながらも500周の大半を一人で漕ぎます。しまいにはテープで脚をペダルに固定してもらって鬼漕ぎ。他のチームもトークリップなどはないので、これは有利かも。
*主演はデニス・クリストファー。当時23歳。可愛い。「炎のランナー」でも米国代表のトラックランナーを見事に演じていますが、実は全く運動音痴なのですと。役者って凄い。若きデニス・クエイドの6-pack absにもビックリ。
*1979年オスカーではスティーブ・テシックが脚本賞を受賞しましたが、テシック氏は映画のクライマックスとなるLittle 500レースで優勝した経験を持つサイクリスト。このレースはインディアナ大学のイベントとして今でも毎年行なわれているようです。
*映画の大ヒットに続きテレビシリーズ化されましたが、一年で打ち切りに。ちなみに、シリーズでのデイブ役はショーン・キャシディ。テレビシリーズで使用された自転車はLa Strada製。
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