Espn.comにエースナンバーをつけることになったジューリックのツアーダイアリーがありました。例の件についてこう語っています:
またサイクリングのネガティブな面が記事になってしまうのが、残念だ。イヴァンにはチームミーティングで、面と向かってこの一件との関係について尋ねてみた。僕の目を見据えて、全く関係ないと答えてくれたよ。僕とチームにとっては、それで十分だった。僕等が知る限り、彼に対する確固たる証拠は存在しない。ジロでの成績が良かったということだけで、疑惑が持ち上がったしか思えない。この事件で問題になっているのは、イヴァンだけでなく、チーム全体の名誉だ。
アメリカでは、調査対象となった選手でも競技に参加し続けることが可能だ。残念ながら、サイクリングでは証拠がなくても、選手が調査対象となることがある。調査中だって、選手は無罪ではなく、有罪であることが前提とされる。特に苛立ちを覚えるのは、イヴァンがDNA鑑定などの手段で潔白の身であることを証明したとしても、もうレースに参加することはできないこと。でもこれがサイクリングのクリーンアップ、イメージアップにつながるなら、良いことと考える。サイクリスト全員がドーピングしてる訳では決してないのだから。もしイヴァンがドーピングしていたとしたら、そのときはショックだけど、事実を認めるしかないだろう。
一時は、チーム全体がツールから撤退することを考えていた。でも、軍事トレーニングで学んだように、リーダーが倒れても、残りの奴らは戦い続けなければならない。CSCは世界ナンバーワンのチームだし、全員がツールを辞めたからといって達成できることは何もない。それこそ、有罪であることを認めているようなものだと気がついた。僕らは隠すことはなにもないのだし、8人でできるだけのことをするつもりだ。CSCは一人のライダーを中心に作り上げられたチームではないのだから。
ドーピングのストレスやリスクを考えれば、普通にトレーニングをする方が、絶対いいと自分は100%確信している。そんな暇があれば、自転車に載っている方がずっと良い結果を得られる。若い選手達に教えられることがあるとすれば、そんなことだね。
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先日の続き。
もうプロローグも終わっちゃったし、と思いつつ、まだクドクドと…。
昨日の時点では、不出場という処分はASOが一方的に下したのだと勘違いしていました。
実はそうではなくて、全チームの監督が、(1)リストに載っている選手は不出走とする、(2)これらの選手に対するリザーブからの補填は認められないというプロツアー基準に合意した上での対処を下したのだということがようやく理解でき、事の展開に納得しつつあります。外部による制裁に任せるのではなく、このように選手達、監督達が競技のクリーンアップに努める姿勢を見せていることは、非常に好ましい展開だと思われます。バッソ、ウルリッヒなどの選手が、潔白の身をツール開始後に証明しなければならない事実は、他のスポーツの基準でもある「有罪が確定するまで無罪」という考えと異なる点が受け入れがたいのですが、サイクリングの歴史からして、サイクリング連盟がこうした処分が必要と考えた以上、やむを得ない方針だと思われます。OLN陣が「ドーピング戦争の犠牲になった」と言うヴィノクロフの退場もしかり。
未だに府に落ちないのは、「誰がドーピングしているかは、一緒に走ってみれば分かる」と言う選手がいるなかで、なぜヴィノがリバティーに移籍したかということ。フランスはクリーンで、スペインはダーティーだということは公然の秘密であったように言われていますが、スペインチーム、しかもエラスが在籍していたチームへの移籍はリスキーだと考えなかったのでしょうか?Tモバでの扱いに辟易し、「誰でもいいから」と感情的になっていたのかもしれませんし、報酬がものすごくよかったのかもしれません。また、オペラシオン・プエルトがこんなことにつながるとは思いもしなかったなど、想像力に乏しい私には、そんな理由しか思いつきません。こんなことを考えてみても、今更どうにもなりませんが、一年間の努力が無駄になってしまったことが、惜しくてならないです。
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