9/07/2006

ブエルタ第12ステージ・ランディスインタビュー

ベッティーニが調子良さそうだったのですが、ステージ優勝したのはチオーニ(<<訂正:大間違い。パオリーニでした。赤面。)。追走にちっとも貢献しないベッティーニにドックスはかなり苛ついていたようです。チオーニパオリーニとは世界戦のチームメイト同士なのでベッティーニが追いかける事はないだろうとCNのテキストライブにはありましたが、その通りになりました。もうとっくにアルカンシェルのための根回しが始まっていたのですね。

選手達はレースを勝つためだけに走るとは限らないという、この裏の深さがサイクリングの魅力の一つなのかもしれません。(ちなみに、シリル・デッセルがブエルタを走る理由として、「フランスの自宅はもう寒いから」「マッサージをしてもらえるから」というのがある、とChihoさんがくりらじで話しておられました。そんなことまでバラしてしまうデッセルってお茶目w。)

首の調子がどうも優れないフレイレはツアー・オブ・ポーランドをリタイア、おまけにシーズン終了ということで世界戦を断念。ラスムッセンはカンチェラーラ等と10分遅れでゴールイン。メンショフもリタイアしてしまったし、ラボバンクはツールでの頑張りが後を引いてますね。

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Bicycle誌10月号の目玉記事はランディスの独占インタビュー。同誌のウェブサイトでも半分くらい読むことができます。独占インタビューといっても突っ込んだ内容ではありませんが、サイトでは読めない半分をご紹介。

+いつもは遠慮なく話してくれるタイプだけど、もう自然体ではいられないと感じてる?
「文脈を無視して、言葉を引用されるのが心配で、自分の言葉がどのように解釈されるかを十分に計算してから口を開くようになったから、嘘をついているように聞こえることもあると思う。じきにリラックスできるとは思うけど、前みたいに自由に話せないのが残念。」

+ツールの勝利よりもこちらのほうが大きいニュースになってしまったと言っていたけど、どちらの戦いの方がハードだと思う?
「ツールは15年間準備を重ねてきたけど、この事態には全く備えていなかったから、こちらのほうがハードだと思う。でも整理がつけば、自分は無実の身だし、システムさえきちんと機能すれば、みんなにも真実を知ってもうための戦いはさほどハードではなくなると思う。」

+このシステムを信頼している?
「最初から規則を破られるようでは、完全に信頼することはできないけれど、今後はより公平な扱いを受けられることを望んでいる。」

+君のお母さんは、「彼がこの立場から抜け出すことができたとき、誰もが彼をより尊敬するようになる。谷間があるのは、そのため。」と語っていたけど、どう思う?
「当然同じ考えさ。物事がきちんと運びさえすれば、ツールより大きなストーリーだから、この勝利はツールより大きな成功を納めたと見なされることになる。でもこれは僕の人生の中で最も屈辱的で、二度と味わいたくない経験だ。」

+メノナイト的教えのなかで、最近役に立ったことはある?
「具体的にそれについて考えたことはないけど、自分の置かれる状況がもうすこしシンプルだったら良かったのにと思ったりはする。」

+ツール後の生活にあまり変化がなければいいと言っていたけど?
「それを望んでいたけど、そうはならなかったね。笑うしかないよ。」

+自転車には乗っている?
「オランダのクリテリウムに一度参加したけど、その後は忙し過ぎて乗れていない。でも体調が優れないからここ二、三日の間に乗るつもり。」

+サイクリングファンにとっても状況は決して良くはなく、サイクリング全体がダーティだと思われています。またドーピング無しでは勝てないという元プロ選手もでてきているようですが...。
「ちょっと待って。何度も勝利を収めたチャンピオンは決してそんなことは言わない。自分が勝利を収められずにひがんでいる奴らが言う事だ。これはいつもそう。それが彼らの動機。全く許せない。そんなことを言うチャンピオンがいたら、教えてほしい。もう一つ言いたいのは、誰かが嫌疑にかけられると、すぐにマスコミが有罪と決めてかかって騒ぎ立てる。遅かれ早かれ、無実の人が犠牲となる。僕もこうしたケースの一つだけど、誰にもその違いが分からない。」

+ドーピングスキャンダルに対して誰もが辟易しているけど、こうした状況の犠牲になったとは思わない?
「分からない。でもこの一件が解決した時点で、公衆が嫌疑が持ち上がった人たちに対して、「有罪と証明されるまでは、無罪と見なすべき」ということを再認識するようになったとしたら、この騒動から何か良い事が生じたということになるのかもしれない。」

+全ての事は理由があって起こるとは思わない?
「そうはそう思わないけど、人生で起きることは全て受け止めるし、最善を尽くす。自己憐憫に浸るのは僕の性格ではないから。」

+将来何が起ころうと、再びレースに復帰できることは待ち望んでいる?
「レースは大好きだから、もちろんさ。どちらにせよ、手術のせいで少し休養する予定だったし。股関節の手術が成功し、物事が正しく運べば、当然復帰したい。」

+手術の予定は?
「今のところ痛みはあまり酷くはないけど、手術は受ける予定。コルチゾン注射は、ツールの数週間前と、ツール中に一度してもらったけど、8週間ほど効果があるらしいから、効果が薄れてきたら痛みも増すし、そうしたら手術を受けることになると思う。」

+第17ステージの超人的なパフォーマンスはどう説明したらいいのかな?
「別に超人的な事をした訳ではないんだ。実際、第17ステージの登りの速度(vertical miles per hour:垂直上昇時速?)は、他のステージと比べて遅かった。でも他のチームが疲れていたという点が違っていた。パワーモニターを使用していたから、どの程度の力で漕げば4時間漕ぎ続けることができるかは分かっていた。序盤から飛ばすことはできなかったから、かなり保守的だった。実際、最後の山岳ではサストレの方が速かったんだ。不可解な走りでもなんでもなかったけど、前日の自分の走りが酷過ぎたということと、他のチームの走り方が完全に間違っていたという理由で、劇的に見えただけ。9分リードしたときは超人的に見えたかもしれないけど、そもそも9分もリードを許すべきではなかった。彼らは僕が途中でヘタレると思っていたんだろうけど。自分が彼等の立場にいたら、同じことを考えたかもしれない。」

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

didoさん、いつも楽しく拝見してます。
ところで12ステージ優勝はパオリーニです。
ご訂正を。

ベッチーさんの動きはやはり世界選手権の根回しなんですかね。パオリーニも「ザルツブルグではベッティーニをアシストする」なんてコメント出してますし。
ベッチーさんやっぱり本気でアルカンシェル狙ってるんですね。

dido さんのコメント...

>うっわー、はははずかしい。ご指摘ありがとうございます!!!最近良く単語を読み違えるんですが、どうやったらパオリーニがチオーニになるんだか...。(おまけにオーディオも聴いていたのに。)

ベッティーニは気合満々ですね。個人的にはボーネンニ連勝なんて高望みをしているのですが、ベッティーニに「ボーネンには向かないコースだ」ととか言われているそうではないですか。うーん。