トラックは殆んどのレースが短時間で終了するので、マラソンでさえゴールしか見ないというアメリカ人視聴者にも向いてる競技だと思ったのですが、BMXと比べると残念ながら無理っぽいなあ...。というのは、「レースというものは、同じスタート地点から始まって、ゴールラインを先に越えた人が勝ちというのが原則でしょう」と言われそうな、直観的に理解できないレースばかりだから。以下、周りの一般米人から聞いた素朴な疑問・感想(私の周りだけかもしれませんが):
- ポイントレース:なんでゴールライン先に越さなくても勝てるのか。点数のつけ方がややこしい。
- スプリント:最初からノロノロ走ってる。後をつけるなんて、ずるい。
- ケイリン:なんでスタートから走らないんだ。オートバイの意味が分からん。
- パーシュート:同じ地点からスタートしない。でも任天堂がゲームに採用するくらいだから、中では一番分かり易いと思う。
アメリカ勢の成績はイマイチ。マスク騒動の割りには、ハンマーは鎖骨骨折しちゃったし、フィニーも予選落ち、リーはポイントレースで飛び出したものの、最後までもたなかったし、マディソンでは散々な結果に。ブリティッシュ・サイクリングがこの大会に賭けて多額の投資をしてきたそうですが、USA Cyclingも頼みますよー。2016年がシカゴに決定でもすれば、ヴァンデヴェルデ父さんやフィニーさんところあたりがなんとか大プッシュしてくれそうなものだけれど。
初心者の雑感:
- 恐ろしいくらいの存在感を持つホイ。気合の入れ方も怖いよー。
- GBチームの自転車はハンドルバーからして速そう。
- チームパーシュート、超特急列車を見ているようでその美しさに見とれる。
- 波乱万丈レースのチームスプリントも面白かったー。
- ポイントレースは戦略が分かって分からないような。どういったタイミングで逃げるんだろう。
- 袖にチューリップのついたオランダのスキンスーツがオレンジ好きにはたまりません。
- オンラインのオンディマンドビデオは図書館のコンピューターでチョコチョコみてます。予選も全部見ようとするから、相当な時間がかかりそうです。オリンピックが終了しても、当分は流れませんように...。
ひとり言:
開会式から中国パワーには圧倒されっぱなしの北京五輪だった。特に体操や飛び込みの女子選手は基礎がしっかりしているからか、フォームが美しく、すっかりとりこに。権威主義国家のもとで受けた英才教育の賜物らしく、つくり笑顔も完璧で、淡々と演技・飛び込みをこなしていくサイボーグのような姿にも魅了されるばかり。倒立飛び込みの倒立をしている間は一度も瞬きをしないなんて、恐ろしいまでの集中力。
でも一番心に残ったのは、女子10m高飛び込み決勝。最後の飛び込みを見事決め、陳若琳選手が金メダルを獲得したその瞬間、中国人観客は総立ちになり、新たな英雄に拍手を浴びせた。それまではプールサイドでもずっと無表情だった陳選手は、小さな笑顔を浮かべ、プールに向かって頭を下げた。そして駆け寄ったコーチにしっかりと抱擁され、紅潮した顔をぼろぼろにしてうれし泣きした。そんな彼女の心境を想像しながら、私ももらい泣きさせてもらった。
勝手に嬉し涙と決め付けてしまったけれど、本当は「国家と家族」に名誉をもたらすことができた安堵感だったのかもしれない。わずか15歳の少女にとってはとてつもなく重くのしかかっていたであろう期待という圧力をようやく脱ぎ捨てることを許された解放感だったかもしれない。でも金メダルを手にする悦びは、自分だけのために努力することが許される国の選手のそれと比べても、劣ることはないだろう。サイボーグ的なパフォーマンスを見せつけられて、心までサイボーグ化しているのではと疑っていた自分がが恥ずかしい。今更だけれど、あの笑顔、そして涙には、誰であれ金メダルを夢見る心に変わりはないということを教えられたような気がした。
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閉会式にジミー・ページとベッカムねえ...。うーん。イギリス人コメディアンがNPRで「ロンドンが北京に対抗したいと思うのなら、帝国時代に遡るしかないでしょう。メダルの方はアメリカ、オーストラリア、ジャマイカあたりの植民地が活躍してくれるだろうし」と一発。(苦笑)そういや、2012年はタンパも狙ってたのでした。今じゃ冗談にしか思えないけれど。ははは。
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